サイコパスの素顔

『サイコパス』を主とする小説を書いていきます

XI. 心神喪失者

 

 女の子に、好きじゃないと言われた。

 あなたには何があるの? ってまで言われた。

 

 こんなにも好きなのに、あの子はまるで分かってくれない。

 あなたとは付き合う気はないわ、ってあの子が言うもんだから……

 

 つい悔しくなって……

 

 サイコパスは、その子を殺した。

 

 でも、理性は少しばかり残っていた。

 あの子のせいで刑罰を受けるのはどうしても嫌だった。

 

 負け犬みたいに思われたくなかった。

 

 だから……

 

 サイコパスは、大量に人を殺した。

 

 何の関係もない人を巻き込めば、異常者だと思われる。

 そう思われた方が都合いい。

 

 結果、案外うまくいって、心神喪失者という地位を得ることができた。

 

 これからはもう、普通の生活を送ることはできない。

 

 でも、構わない。

 精神病院の生活もそう悪くないと思う。

 働かなくていいし、飯は食える。

 

 むしろこっちの生活の方が合っているかもしれない。

 

 あの子に感謝しなくちゃ……

 

 サイコパスは、あの子の歪む顔を忘れない。