XVI. 勉強
勉強って何のためにするんだ?
サイコパスは、シャーペンを机の上に置いて考えた。
何も考えることなく、子供の時から学校では勉強を教わる。
そして意味もよく分からないうちから、社会に出て困らないようにするためだと親から教わる。
サイコパスは熟考した。
勉強する目的はなんなのか。
安定した職業に就くため。
お金を稼ぐため。
自分の好きなことをするための基盤。
勉強しろと親が口うるさいから。
異性にモテたいから。
勉強することが楽しいから。
サイコパスは頭を横に振った。
違う……全部違う。
どれも当てはまらない。
ある程度の勉強を、教養を学ぶ大切さは分かる。
あと、他の人が知らないような雑学を学ぶことも必要だ。
だってそうだろ。
じゃなきゃ、他人を言葉巧みに騙せないじゃないか。
他の人より知識がなくちゃ、説き伏せることはできやしない。
人を踏み台にして、できるだけ楽して生きる。
そうか……そのために勉強するのか。
サイコパスは、満足した面持ちでシャーペンを握りなおした。