サイコパスの素顔

『サイコパス』を主とする小説を書いていきます

XXIX. ソーセージ

 

 サイコパスは、調理場で思い出した。

 

 昔どこかの国では、ごく普通に売られていたらしい。

 

 ……人肉が。

 

 聞いた話によると、人肉で作られたソーセージを売る肉屋があったらしい。

 

 仕事帰りのお母さんが夕食のおかずにソーセージを選び、いつもの肉屋で購入する。そしてそれを夫と子供、家族そろって「おいしいね!」なんて言いながらばくばく食す。

 それがまさか、人肉ソーセージだとは思いもしない。

 

 この話を聞くと、ウエッ気持ち悪い、って思うよね。

 

 でもさ、正直分からないよね。

 ソーセージの中身が何かの肉なんだってことは分かるけど、それがどんな過程でひき肉にされた何の肉なのかまでは分からないよね。

 ひき肉にしちゃえば、牛肉だって豚肉だって鶏肉だって……人肉だって、判別なんてできないもんね。……たぶん。

 

 それにそのソーセージを食べたところで、人肉なんて基本食べたことないんだから、このソーセージちょっと変わってるなぁ、としか思わないんじゃないかな。

 

 もしかしたら、案外おいしいかもしれないよね。

 そう考えると、ちょっと興味わいてきた。

 食べてみたいかも。

 

 ……人肉ソーセージ。

 

 子供のころ、母親によく言われたことがある。

 「食わず嫌いはよくありません」ってね。

 

 だから食べてみようと思う。

 

 幸い材料はそろってるし……

 

 ソーセージの中身は、サイコパスしか知らない。