サイコパスの素顔

『サイコパス』を主とする小説を書いていきます

XXXI. 無秩序型殺人鬼

 

「突然ですが、臨時ニュースです」

 

 サイコパスは、女子アナの重苦しい声に注意を引かれた。

 

「先ほど、都内で通り魔殺人事件が発生しました。午後12時頃、都内の大学で、20代半ばと見られる男性が刃物を振り回し、通行人を見境なく切りつけました。現在分かっている情報では、負傷者17名、死者9名とのことです。引き続き、新しい情報が入り次第ニュースをお伝えします」

 

 サイコパスは、拳を強く握りしめた。

 

 26人もの人たちを負傷させ、死に至らしめるとは……なんて卑劣な事件なんだ。

 

 サイコパスは、無秩序型殺人鬼が許せない。

 

 何も考えず命を奪う輩は、最低だ。

 見境なく、意味もなく、ただ感情に流されて殺人を犯す奴は、クズだ。

 

 サイコパスは、無秩序型殺人鬼に対し殺意を覚えた。

 

 殺してやりたい……必ず。

 思考を持たずして殺人を犯す者には、裁きが必要だ。

 この上ない苦しみを与え、奪った命の数だけ痛みを味わわせる必要がある。

 

 その裁きこそが、秩序型殺人鬼の役目であると心に刻む。

 

 サイコパスは、自分が秩序型殺人鬼であることを知っている。

 

 同じ殺人鬼でも、人を殺める意味はまるで違う。

 秩序型殺人鬼であるからこそ、殺人を犯すときには論理的思考を持たなければならないことを心得ている。

 

 そうでなければ、殺人鬼はただの獣と同じである――