XXXIII. 子殺し
子供を殺すのは、とても合理的。
サイコパスは考えた。
殺すなら、3歳ぐらいになる前にはやらなければならない。
それ以上を過ぎると、養育費や食費などのコストがかかってしまい、殺すには惜しい存在となってしまう。
サイコパスは考えた。
子供は現在と未来を繋ぐ『宝』だ。
いい子に育つ子はもちろんのこと、たとえ悪い子に育とうが、子供というものは親にとって最大の『愛』である。
たくさんのお金と時間、そして愛情を注ぎ込み、大きく立派に育った子は『財産』である。
たとえ何が起きようと、自分の身を挺してでも、我が子を守ることは『栄誉』である。
だからこそ、望まぬ子やどうしても愛情を注げない子を産んでしまったのなら、すぐに殺せ。
サイコパスは切実に思う。
母親としての責任、覚悟を持たぬ者が、子供を産む資格はない。
そんな母親のもとに生まれてきた子供の眼には、残酷な世界しか映らない。
真愛を注がれて育てられる子は、それだけで幸せである。
サイコパスは、そう思う。