XXXIX. 扼殺
自らの手で相手の首を絞めて殺すこと。
サイコパスは、手を洗っている。
殺し方にも様々な種類があるけど、私は扼殺が気に入っている。
私は女で非力だから、本当だったら何か道具を使った方法で殺したほうが楽に決まっている。
でもそれじゃ、面白みに欠けるでしょ。
簡単すぎて達成感がいまいち感じられない。
それに比べて扼殺はとても気持ちがいいわ。
ゆっくりじわじわと、相手の瞳を見つめながら首を絞めていく。
その時の、苦しみに歪む相手の表情が好きすぎる。
徐々に光が失われていく瞳の奥に、快楽を見出せる。
サイコパスは、手を洗っている。
私の手の中には、数多の魂が眠っている。
殺せば殺すほど、掌には重圧がのしかかり、その重みで次も殺したくなる。
はぁ……やめられない。
サイコパスは、手を洗っている。