サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

XLII. 一目惚れ

 

 サイコパスは、一目惚れをした。

 

 僕には最近、気になる人がいる。

 

 一目見たとき、突然心をギュッと鷲掴みされた感じがした。

 苦しいと感じると同時に、頭の中でベルが鳴り響いた。

 

 サイコパスは、ある女性に釘付けになった。

 

 その女性の瞳はこの世界の何よりも美しく、その女性の放つオーラは、あっという間に僕の心を包み込んだ。

 その女性のことを僕は何にも知らないのに、なぜか気になってしまう。

 どういうわけか、その女性が頭の中を離れない。

 

 これが一目惚れというのなら、僕は間違いなく、その病にかかってしまったようだ。

 

 サイコパスは、不思議な感覚を覚えた。

 

 その女性の瞳の奥底に感じられる未知のエネルギー。

 熱く情熱的でパワフルなエネルギー。

 

 そのエネルギーは容赦なく僕を魅了する。

 

 その女性のエネルギーを僕のものにしたい。

 どうにかしてその女性の瞳を僕のものにしたい。

 瞳を、そう、瞳を……

 

 どうすればそんなことができるのか、僕は真剣に考えた。

 

 サイコパスは、答えを見つけた。

 

 瞳をひとつ分けてほしいと素直に頼めばいいんだ……

 

 そうだ、そうすればいいんだ。

 彼女の魅力的なエネルギーが欲しいなら、その源泉である瞳をもらってしまえばいいんだ。

 そうすればすべて僕のものになる。

 

 なんだ、簡単じゃないか……

 

 サイコパスは、一眼惚れをした。