サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

XLIII. 左利き

 

 サイコパスは考えた。

 

 世界人口の7割を占める、右利き。

 残りの3割を占める、左利き。

 

 この世界は、左利きにとって非常に生き辛い世の中だ。

 

 文字を書く時には、自ら書いた文字で手が汚れる。

 駅の改札口の切符入れは右側にしかない。

 世界で作られる道具のほとんどが右利きを前提に作られている。

 

 この社会は、右利きが生きやすい作りになっている。

 

 少数の左利きなんて気にも留めない。

 

 サイコパスは考えた。

 

 だけど、左利きは右利きよりも優れている。

 

 右利きに比べて、左利きは努力家だ。

 創造性が豊かであり、芸術的センスに富んでいる。

 空間認識能力が高く、物事を立体的に考えることができる。

 

 左利きは、類稀なる才能の持ち主であり、天才である。

 

 サイコパスは、そんな左利きが大好きだ。