XLIV. チョコレート
みんなは今日が何の日か知ってる……?
そうなの! 今日はバレンタインデーなの!
サイコパスは、この日を楽しみにしていた。
私好きな人がいるから、この日をずっと待ってたの。
彼に一目惚れした時から思ってた。私の手作りお菓子を食べてもらいたいって。
だからずっと待ってたの。
バレンタインなら絶対受け取ってもらえる。
サイコパスは、うきうきしている。
彼に食べてもらいたい、想いのこもったチョコレート。
私のこともっともっと知ってもらいたいから、チョコレートに少しだけ私のことも入れてみたの。
私の艶のある髪の毛を溶かして、チョコレートに混ぜ込んだの。
細くて綺麗な小指を第一関節から切断してその肉と血を溶かして混ぜ込んだの。
純白の骨は細かく潰して混ぜ込んだの。
クランチチョコレートみたいな食感を楽しめるチョコを作ったの。
きっと「おいしい!」って言ってくれるよね。
私と同じで、彼も甘いものが好きって言ってたから、絶対気に入ってくれるはずよね。
私の気持ち伝えたいから、今日は勇気を出して渡してみるの。
サイコパスは、胸の高まりが収まらない。