サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

LXXVII. タバコ

 

 単刀直入に言う。

 

 タバコが嫌いだ。

 

 サイコパスは、タバコが嫌いだ。

 

 人は時に、カッコつける。

 特に男は、カッコつけたがる。

 その時に便利な道具が、タバコって代物だ。

 

 粋がっている男、やんちゃな男、自分のことをカッコいいと勘違いしている男。

 こいつらは皆、タバコに手を出す。

 20歳以下のクソガキの場合、タバコを吸っている自分に酔ってしまう。そして思うのだ。「俺って、カッコ良くね! 大人っぽいだろ!」と。

 

 サイコパスは、そいつらに言いたい。

 

 バカだろ! お前!

 全然カッコ良くねぇからな! むしろ迷惑だわ! 臭ぇし、煙たいし!

 イライラするんだよ! お前ぇみたいな勘違い野郎がのさばってると!

 ブッ飛ばしたくなるんだよ! そのすかした面が!

 

 サイコパスは、タバコを吸うすべての人間に言いたい。

 

 いいか! お前たち! お前らは政府の財源確保にまんまと乗せられてるんだぞ!

 偉い奴らが「麻薬や覚せい剤は法律で禁ずる!」なんて言っても、じゃぁどうして体に害を及ぼすタバコの使用は禁止しないんだ? 理由がわかるか? 

 昔に比べると、気軽に街中で吸うことも難しくなって、レストランでも喫煙席と書かれた区切られた空間に押しやられ、CMでも禁煙を進めるくせに、どうして法律でタバコを禁止しないか知ってるのか?

 

 それはな、タバコの税金で国が動いているからなんだぞ!

 

「なんだ、だったらタバコ吸ってる俺偉いじゃん! 国に貢献してるじゃん!」って考えた奴は、とことん腐ってる!

 

「お前たちの体なんてどうでもいい。死んだってかまわない。だが金は国に落としてくれ。お前らは脳みそゴミカスなんだから、黙って金だけ払え」……これが国の真意だからな!

 

 お前らタバコを吸う人間は、何も考えず、国の計画にも気づかず、バカなんだから、タバコだけ吸ってろ。

 体に害悪を及ぼし、その煙で迷惑する周りの人たちに険悪な顔を向けられても、それでもお前たちは税金を国に払え。

 払ってくれるだけでいい。バカなんだから!

 

 そんな風に言われてるんだぞ! ムカつくだろ!?

 そんな国の真意がわかってもなお、お前らはタバコを吸うのか? 

 依存性に逆らえず、弱い気持ちしか持たないお前たちをバカにしている国に、ナメられたままでいいのか!?

 

 俺は嫌だね! 絶対に嫌だね! 

 国に寿命を奪われ、生活費も奪われ、顔も見えない国家に搾取されて死んでいくのはまっぴらだ!

 

 だからみんな! タバコは吸うな!

 そんな不健康なものに手を出すぐらいなら、頭を鍛えて法律を変えようぞ!

 人を人とも思わず、税金で生きる政治家たちに文句を唱えよう!

 そうすることでしか、国は変わらん! 俺たちの社会はタバコのヤニのように汚れたままだ!

 

 タバコを捨てろ! 国を変えろ! 

 搾取と欺瞞に支配される社会に、未来はない!

 

 サイコパスは、タバコが嫌いだ。