サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

LXXIX. 似ている人は3人いる

 

 サイコパスは、知人に似た人物を見かけた。

 

 それも、突然。

 突然の出来事に驚いている。

 

 年が離れているから本人かもしれないって思うことはなかったけれど、そのソックリぶりに、自分の目を疑った。

 目元が似ていて歯並びもソックリ。まるでその知人の妹のよう。もしくは子供? いや、それはないか。

 

 とにかく似ていた。

 

 メイクの系統が似ていたからなのか。

 それとも、笑うときに手で口を押さえる仕草が似ていたからなのか。

 苦痛に歪む表情が似ていたからなのか。

 耐え難い痛みにあげた小鳥のような悲鳴が似ていたからなのか。

 切り刻んだ白い肌の艶やかさが似ていたからなのか。

 取り出した臓器の色形大きさが似ていたからなのか。

 

 サイコパスは、似ている2人を見下ろした。

 

 似ている3人目が……どこかにいるのかも。

 そう考えると、次に出会えるのが楽しみで仕方なかった。