サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

第31弾 『ゆれる人魚』

 

はいはい! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『ゆれる人魚』!!

ポーランド発信、ホラー・ファンタジー・ミュージカル!

 

  

監督 アグニェシュカ・スモチンスカ

主演 キンガ・プレイス / マルタ・マズレク / ミハリナ・オルシャンスカ

原題 『The Lure

ジャンル ホラー・ファンタジー

上映時間 92

 

ポーランド映画……観たことないかも。

ホラー・ファンタジー……おもしろそう。

ミュージカル……!?

 

ということで、本作『ゆれる人魚』はどんな物語なのでしょうか。

トレーラーを観た時点では、人魚の尻尾がリアリティありすぎて気持ち悪かったです……。

『人魚姫』をモデルとして本作……とても不気味な雰囲気が含まれているらしいです。

 

ではでは、楽しんでいきましょう!

 

 

・ストーリー

ふたりの人魚。姉妹の人魚、シルバー(姉)とゴールデン(妹)。

ある夜、海辺で歌っていたバンド3人組が彼女たちの目に留まった。ふたりは、顔だけを水面から上げてその美しい歌声で近づいた。

彼女らは、こうして陸へと上がった。

ナイトクラブで働いている3人組バンドは、彼女らが人魚だと分かった上で、クラブで働いてもらおうと誘いを出す。

アメリカへ行く前のちょっとした遊び感覚だった彼女らは、快諾し、あっという間にクラブの目玉となる。魅惑的な踊りと美声で客を虜にし、お酒・たばこ・ファッションを存分に楽しんでいた。

そんな中、シルバーはバンドの一人に恋をしてしまう。人間と人魚、決して結ばれぬ恋であることが分かりつつも、互いに夢中になっていく。

ゴールデンはそんな姉を心配し、「彼を喰えるの? もし彼が他の女性と結婚したら、あなたは海の泡となるのよ」と忠告する。

その後も、どんどんと人気者になっていくふたり。ゴールデンの忠告空しく、シルバーの抱く愛も次第に膨らんでいった。

二度と歌えなくなってもいい。美しい声を失っても構わない……そう思ったシルバーは人魚としての尻尾と人間の下半身との移植を決意する。

声が出ない。うまく歩けない。けれど、これでようやく愛する彼と結ばれる。そう喜んでいた矢先、彼は違う女性に恋焦がれてしまうのだった。

最悪なことに、シルバーを拒絶した彼はその別の女性と結婚することに。

このままじゃ姉が海の泡となってしまう……と危惧したゴールデン。「彼を喰べて。明日の朝日が顔を出す前にそうしないと、あなたは海の泡となる。喰べて人魚に戻って」と最後の忠告をする。

シルバーは、迷う心と共に、彼を抱きしめた――。

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

ごった煮のよう……それが本作の印象です。

 

本作を観ている途中で思いました。

これ……「最高の映画紹介」に挙げることできるのか……? って。

 

本作『ゆれる人魚』は、正直言って意味がわからない場面が多々あります。

そして、物語のジャンルが一貫していません。ミュージカル調であり、雑なコメディのようなものでもあり、グロいシーンがあったと思えば、最後は虚空を見つめるような悲しさに襲われます。

 

だから多分、観た人の大半はこう思うはずです。

「なに? この映画。なんかよくわからない……」

 

その言葉が出ることをわかった上で申し上げます。

本作は、今までに見たことのない不思議な感覚を味わうことのできる映画と言えるでしょう。

 

アンデルセンの描いた『人魚姫』。それをより大胆に、よりダークに、より切なく描いたのが本作『ゆれる人魚』です!

つまりは、かなり大人向けの映画と言えます!

 

理解が難しく、バカ騒ぎするシーンに耐えられない方は酷評を、固定観念に囚われずに独特な表現を楽しむことのできる方は賞賛をお送りください。

 

観る人によって感じ方が違う。だが観る価値は確かにあります!

 

ユアセルフ 個人的な感想としては、最後のシーンにグッときてしまいました。

愛した人間に裏切られてもなお……(ここ、ネタバレになるので伏せます)。幸せを願いただ抱きしめるその姿に、胸を突かれた気持ちになりました。

人を喰らう人魚、ダークファンタジーの不気味さ、ダサすぎるミュージカル調の演出。そのすべてをひっくり返すほどの魅力が結末に用意されています。

 

どうか、皆が寝静まった夜にこっそりと、お楽しみください……。

初恋は、残酷な味がする。

 

以上、ユアセルフ でした……