XLVIII. おばあちゃん
「ねぇおじいちゃん。おじいちゃんはどんな食べ物が好きなの?」
「ねぇおばあちゃん。おばあちゃんはどんな食べ物が好きなの?」
こういう風に言うと、あたしのおばあちゃんは不機嫌になる。
いや、不機嫌になるぐらいならまだマシな方。
本当に機嫌を損ねると、顔をぶったりお腹を蹴られたり、暗いタンスの中に何時間も押し込められてしまうこともある。
「ねぇおばあちゃん。おばあちゃんはどんなスポーツが好きなの?」
「ねぇおじいちゃん。おじいちゃんはどんなスポーツが好きなの?」
こういう風に言うと、あたしのおばあちゃんは機嫌がよくなる。
満面の笑みであたしのことを可愛がってくれる。
お駄賃をくれたりお菓子をいっぱい食べさせてくれたり、あたしの大好きなクマさんのぬいぐるみを買ってくれることもある。
おばあちゃんのことは大好き。
ちょっと怖い時もあるけど、それでもあたしはおばあちゃんが大好きだ。
だからおばあちゃんには長生きしてもらいたい。
いつまでもあたしのおばあちゃんでいてほしい。
おばあちゃん、大好き!
サイコパスは、おばあちゃんっ子だ。