サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

LVIII. 孫

 

 孫は本当にかわいいもんだよ……

 

 サイコパスは、機嫌がいい。

 

 久しぶりに顔を見せてくれた孫は、何やら嬉しそうな顔をして、寄り添ってきた。

 話を聞くと、どうやら学校でいいことがあったそうな……

 

「ねぇ、おばあちゃん! 今日ね、今日学校でね、先生に褒められたの!! 絵がうまいってみんなの前で褒められたの!」

 

 無邪気に喜びを表現する孫は、その喜びをおばあちゃんにも分けてくれた。

 

 サイコパスは、自然と笑みがこぼれる。

 

 真っ先に私のもとへ、おじいさんよりも先に、その報告をしてくれたことが、おばあちゃんにとっては何より嬉しいことだよ。

 

 もし、逆だったら、どうなっていたことか……

 

 サイコパスは、顔にしわを寄せる。

 

 そんなこと考えただけで、不愉快になる。

 

 でも、今日は、「おばあちゃん!!」ってその綺麗な顔を見せてくれた。

 

 孫はやっぱりかわいいもんだよ……

 

「そういえば。おじいちゃんは……?」

 

 その言葉を聞いた途端、おばあちゃんは孫を睨みつける。

 今まで笑顔だったおばあちゃんの心に雷が落ちたかのように……

 

 サイコパスは、気難しい。