サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

LXV. 俺もだった

 

 ムカつく……

 今日もまた、満員だ。

 

 サイコパスは、ため息をつく。

 

 電車が満員なのは仕方がない、と百歩譲って許そう。

 ムカつくのは……ここまで俺のことを苛立たせるのは、リュックを背負うクズどもだ。

 

 サイコパスは、リュック勢を睨みつける。

 

 邪魔なんだよ! 両手が空いて楽かもしれねぇけど、満員の場所では邪魔でしかねぇ!

 

 わかんねぇのかな……!?

 

 リュックで一人分の領域占拠してんだぞ、テメェは!!

 それがなければ、今よりも隙間が生まれて余裕ができんだよ!

 

 下ろせ……! 今すぐ下ろして車中から捨てちまえ!!

 

 サイコパスは、すぐさまリュックを肩から下ろし、そのまま窓から放り出した。