サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

LVI. 告白

 

 シトシトと、降る雪積もる、クリスマス。

 赤らめる、乙女心が、溶かすかな。

 

 サイコパスは、愛の告白を受けた。

 

 正直な話、突然呼び出されて戸惑っている。

 ドキドキと無意識に鼓動が高鳴っている。

 

 サイコパスは、目の前でタジタジする可愛い瞳を見つめる。

 

 女の子は恥ずかしそうに、それでいて勇気を振り絞ってなんとか言葉を紡ぎだしている。

 男なら誰しもが共感できると思うが、モジモジしているその彼女の姿はとても可愛い。

 

 だが……

 

 サイコパスは、その子の言葉など聞いてはいない。

 

 うんうん、と頷いてはいるものの、その子の言葉は耳を左から右へとストレートに抜けていた。

 だって、その子のことをよく知らないしこれから恋人関係を築こうとなどとも思っていない。

 ただ、今この状況を楽しみたいだけだ。

 

 僕は運がいい。

 この広い世界で、クリスマスという素敵なイベントの中、話したこともない可愛い女の子から告白を受ける確率などどれほど低いことか。

 本当に僕は運がいい。

 

 奇跡ともいえるこの瞬間。感謝したいと心から思えるこの時間。ふたりを包み込むこの空間。

 こんな体験を味わえるなんて貴重であり刺激的。

 

 サイコパスは、刺激を吸収することで頭がいっぱいだ。

 

 この子の話が終わったら、すぐに告白を拒否するつもりだ。

 えっ、なんでそんなことするの。そんなことをしたら、頑張って自分の気持ちを伝えてくれたこの子が傷つく……なんてことは百も承知だ。

 でもそんなこと僕には関係ない。

 僕は貴重で刺激的なこの状況を楽しんでいるに過ぎない。この子がどんなに落ち込もうと構わないし僕にはメリットもデメリットもない。

 

 クリスマスに勝手に告白して、フラれるだけ。

 ただそれだけのことだし……

 

 サイコパスは、相手を思いやる感情が欠如している。

 

 まぁ、なんにせよこの言葉だけは君に送ってあげるよ……ハッピーメリークリスマス。

第19弾 『ラスト・ウィッチ・ハンター』

 

どーも! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『ラスト・ウィッチ・ハンター』!!

ヴィン・ディーゼルが務めるアクション・ファンタジー映画!

魔女狩り 一筋 800年 !! 

 

監督 ブレック・アイズナー

主演 ヴィン・ディーゼル / マイケル・ケイン / ローズ・レスリー

原題 『The Last Witch Hunter

ジャンル SFアクション

上映時間 106

 

こんな映画があるなんて ユアセルフ 知りませんでした。

「映画好きな人」が観たという情報から本作を知り、手に取ってみました。

 

全然予習もせずに観ることになった本作『ラスト・ウィッチ・ハンター』!

それでは、早速ストーリーへ!!

 

 

・ストーリー

中世の時代、コールダーは疫病で人間を苦しめていた魔女の女王を殺すことに成功した。

だがしかし、魔女が死に際にかけた呪いによってコールダーは不死の身になってしまう。

それから800年、彼は魔女ハンターとして戦い続ける日々を送っていた。

世は、人間と魔女の間で協定が結ばれており、彼はそれに反する悪い魔女を裁いているのであった。

そんなある日、彼を見守ってきていた神父36代目ドーランが何者かに殺害される。

その復讐を果たすため、37代目を継いだ新ドーランとともに殺した犯人を追っていく中、昔殺した魔女の女王が復活することを知る。

残念なことに、彼はその復活を止めることはできなかった。

またもや人類を疫病で殲滅しようと企む魔女の女王を、彼は止めることができるのか……再び倒すことができるのか……

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

綺麗! とっても綺麗!! 本当に綺麗!!!

 

何がと申しますと、ズバリそれは……映像美!!!!

 

ユアセルフ 本作をBD(ブルーレイ・ディスク)で観たので、めちゃくちゃよかったです。

 

映画の中には、僅かな画質の差を気にせず楽しめる作品が数多くあります(画質を気にしない人も結構いますし……)。

でも、本作『ラスト・ウィッチ・ハンター』は是非……いや、絶対にBDで観てください!

 

映像美が映えるシーンがとてもたくさんあり、その美しさに酔いしれます!

 

もちろん、内容も面白いですよ!!

 

相変わらずヴィン・ディーゼル肉体は凄いし、マイケル・ケイン味わい深さも最高でした!

さらに、最後に意外な展開があったのは正直驚きました!(ネタバレになるから言わない)

 

構成もしっかりしていて、まだまだストーリーを広げることができると思いますので、映画でもドラマでもどちらでもいいので、是非続編を作ってもらいたいと ユアセルフ 思いました(……ドラマのほうがいいかも)。

 

少しだけダメだしをするのであれば、アクションシーンがもっともっと欲しかったかな~、って感じではありました。

 

アクション一点で楽しむのなら、本作は向いていません。

だけど一つの映画作品として、ヴィン・ディーゼルを楽しむ目的であるのなら、とても良い作品です。

 

悪い魔女をバッサバッサ捌いていくシーンをもっともっと観たい!!(すみません……ダメ出しがもう一つ出てしまった……というか願望かな)

 

まぁ、そのへんもすべてひっくるめて、続編が作られることを期待しましょう!

 

それでは、今回の映画紹介はこのへんで……

LV. 最後の晩餐

 

 おいっ! いい加減にしねぇとそろそろマジで殴り殺すぞ!

 

 サイコパスは、店内の雰囲気と香りに耽っている。

 

 久しぶりに地元に帰ってきて、学生時代に通っていたうどん屋に足を運んだ。

 

 相変わらずコシが強くてのどごしがよく、鰹の香り広がる出汁もうまい。揚げたて熱々の海老の天ぷらがプリプリと踊っている。

 サッと振りかけた七味の香りが食欲を掻き立て、鶏肉の淡白な味が絶妙に絡み合う。

 

 ゆっくりと懐かしき思い出の味に浸りながら、特別美味しいこのうどんを食す。

 

 そうしたいと思っていた。

 贅沢な願いじゃないはずだ。

 

 だけどそんな俺のささやかな思いを打ち砕くように、クソガキがうるさく騒いで邪魔をする。

 ガキが騒いでいる座敷から少し離れたカウンターで俺は食べているが、それでもうるせぇガキの声が癇に障る。

 

 マジで殺してぇ……!

 

 殺してぇと言っても、ガキのことを殺してぇわけじゃねぇぞ。

 

 俺が殺してぇのは、座敷を走り回るガキを注意しねぇで澄ました顔して飯食ってるあの親だ。

 

 分別のつかねぇガキが騒ぐのは百歩譲って仕方のねぇことだ。

 だが、そのガキを叱ることなく、しつけができねぇ親は許せねぇ!

 

 テメェがテメェのガキに礼儀や常識を教えねぇで誰がそれを教えてやるんだ!

 

 あのバカ親に限ったことじゃねぇが、今の時代、他人が人のガキを注意するだけであーだこーだ文句をつける親が増えて苛立ちを覚える。

 だったら人に注意されねぇようにしっかりしつけとけって話だろ!

 

 いいか、よく覚えとけよ。注意する方は間違っちゃいねぇんだからな!

 

 子供に嫌われたくねぇとか自由を尊重してやりてぇとか言ってテメェのガキを注意できねぇバカ親、それを『良い親』とは呼ばねぇからな!

 ダメなことはダメってしっかり言える親にならなきゃダメなんだぞ! 分かるか……!

 

 サイコパスは、ズルズルといい音を立てて麺をすする。

 

 まぁとりあえず、お前みたいなバカ親は痛い目見ないと分からねぇと思うんだわ。

 だからその美味しいうどんを食べ終わったら表出ろ。

 

 しつけのなってねぇガキの前で、殴り殺してやる!

 

 早く食べ終わらせろ、それがお前の最後の晩餐だ。

 

 サイコパスは、汁をグイッと飲み干した。