サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

第32弾 『アンブレイカブル』

 

はいはい! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『アンブレイカブル』!!

直訳――「破壊不可能」!!

 

 

監督 Mナイト・シャマラン

主演 ブルース・ウィリス / サミュエル・L・ジャクソン / ロビン・ライト・ペン

原題 『Unbreakable

ジャンル SFサスペンス

上映時間 107

 

このブログにて映画レビュー第1回を飾ったのが『スプリット』。その時に過去の作品が関わっていると言った記憶が微かに残っております。

 

そうです!

 

本作『アンブレイカブル』こそが、『スプリット』と同じ世界観を持つMナイト・シャマラン監督の作品(2000年)です。

では、ご覧ください!

 

 

・ストーリー

アメリカ、フィラデルフィアにて列車事故が起きた。乗客131人が亡くなるという悲惨な事故。メディアが注目する大事故であったことはもちろんのこと、それ以上にメディアがざわついたのは、ある一人の男性を除いたすべての乗客が亡くなったという事実だった。

アメフト会場の警備をしているデヴィッド、彼がその列車事故の唯一の生存者であった。しかもただ助かったのではなく、奇跡的……いや、不自然ともいえるほど、無傷であった。

そのニュースを知った男、イライジャはすぐにデヴィッドへと接触を試みる。しばらくして対面した2人は、一つの推測について話をした。

「私は生まれながらに骨形成不全症を患っている。私がある曲線の端にいるのならば、もう反対の端にいるのは私とは正反対の人物だ。傷一つ負わない、病気にもならない、そんなヒーローのような存在を私は探し求めていた。それはきっと、君なんだ」イライジャの突飛な話を撥ね退けるように聞いていたデヴィッドだったが、次第に彼は自覚し始める。超人的な筋力、過去に自動車事故に遭ったが実は無傷だったことを思い出し、彼は自分の中に眠っていた真実と向き合うことになる。

デヴィッドは本当に、アンブレイカブルなヒーローなのか!?

真実を知る覚悟はあるか

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

ブルース・ウィリス×サミュエル・L・ジャクソン

 

うん、間違いないです! つまらないわけがない! でしょ!?

 

今思えば、ふたりの共演は『ダイハード3』でありましたね。ん、『パルプ・フィクション』もか……?

 

とにかく、ふたりが共演したならばおもしろいに決まってる。むしろハードルが上がった状態で観たわけですが、やはりおもしろい。

 

ストーリーの構成でいえば、かなり重苦しい雰囲気です。シリアスな空気というべきなのか、それがかなり現実味のある映画を作り出したと言えるでしょうか。

 

「新たなヒーロー図」! 本作を一言でいえばそんな感じです。

 

マーベルコミックやDCコミックの様なあからさまに分かる大胆なヒーローではなく、人間の内側に隠されている「力」に徐々に気づかされていく一人の男を丁寧に描いた。実に現実味のあるヒーローでした。

そしてそのヒーローの存在は、サミュエル・L・ジャクソン演じる「イライジャ」が教えてくれるのですが、イライジャもまた、不思議な存在なんです。

一見、妄想を信じて生きる頭のおかしな人物であると捉えてしまいがちですが、彼の話は的を射ています。説得力があるんです。

だからこそ、ブルース・ウィリス演じる「デヴィッド」も最後には、彼に感謝を示しました(まぁ、最後にオチがあるが……)。

 

それともう一つ、Mナイト・シャマラン監督の作品はカメラアングルにもこだわりが伝わってきます。

今回でいえば、鏡越しの視点を撮影したり、電車の座席の隙間からの撮影をしたり、実に興味深い撮り方でした。

 

ちなみにですが、なぜ今この時期に『アンブレイカブル』を観たのか……ですが、それはですね、2019公開予定『グラス』が迫っているからです。

Mナイト・シャマラン監督の作品である今作『アンブレイカブル』、そして2016年に公開した『スプリット』、さらにそれに続く『グラス』。この3作品は同じ世界観で描かれているんです!

だからこそ、今、この時期に本作を観てみたんです。

つまりは、『グラス』がめちゃくちゃ楽しみです!

本作は単体で楽しむこともできますが、この3作が存在していると分かった上で観ると、また感じ方が変わるかもしれませんね。

 

以上、ユアセルフ でした……

CII. 内臓吸い取り機

 

 正月ということで、少し笑える話をしようじゃないか。

 正月ぐらい、残酷な話は控えたほうがいいだろ。

 正月なんだから、みんなで楽しく過ごしながらお餅でも食べようではないか。

 

 サイコパスは、お餅を頬張った。

 

 口の中に広がる粉っぽさ、それと同時に舌に絡みつく甘さは、お餅の弾力と良く合う。口の中一杯に押し込んだきな粉餅は、一瞬にして幸せな気持ちになる。

 お雑煮、きな粉餅、あんこ餅、もちもちもちもちもち。

 

 正月に食べる、餅はうめぇ!!

 

 そんな時……

 

 サイコパスは、ふと、思った。

 

 喉を通る途中でねちっこく跳ねたお餅が、毎年恒例の事故を思い出させた。

 

 お餅で亡くなる人……毎年絶対にいるよな。いないことなんてない。必ず一人や二人は喉に詰まらせる。

 

 新年に死んでしまうなんて不幸なことだが、本当に興味深いもんだよな。

 

 どうして、おめでたい日にお餅を詰まらせるのか。

 どうして、縁起物のお餅を食べて死んでしまうのか。

 どうして、注意喚起をしてもなお死人の出ない新年が始まらないのか。

 

 ……でもまぁ、何度も同じ間違いを犯すのは人間の専売特許のようなものだ。こんなことを考えていても、お餅で喉を詰まらす人がいなくなることはないのかもしれない。

 

 でもそんな時……

 

 サイコパスは、パッと閃いた。

 

 それは、餅を詰まらせない方法だ。

 この方法ならきっと、死人なしの新年を迎えることができるのではないかと思う。

 その方法は、ある情報からヒントをもらったんだが、よく言うだろ。「万が一、喉にお餅を詰まらせた場合は掃除機で吸ってください」って。

 ちょっとバカっぽい発想だけど、割と効果があるらしい。自分でやったことはないけど、応急処置にはなるんだとか……。

 

 だったら、いっそのこと「お餅吸い取り機」でも作ればいいのに。

 

 サイコパスは、そんな発想に辿り着いた。

 

 万が一の時にでもすぐに対処できる画期的なアイテム、一家に一台、「お餅吸い取り機」の常備を促したらどうだ。

 仕様はほとんど掃除機と一緒。違うのは、何とかソンにも負けない絶大な吸引力で喉に詰まった異物を確実に吸い取る力。

 

 これさえあればもう安心! 正月にお餅を食べて死ぬ人なし!

 

 どうだろうか? こんなアイテムが実現されれば、絶対にいいと思うんだが。

 

 ……あっ……でも……

 ちょっと待てよ……。

 

 サイコパスは、もう一つ考えた。

 

 「お餅吸い取り機」を作るついでにもう一つお願いしたい、あるアイテム。

 「内臓吸い取り機」……作ってもらいたいかも。

 

 サイコパスは、ちょっと不満を吐く。

 

 いつも思ってたんだけど、人間の処理ってすげぇめんどくさいわけよ。

 内臓をいちいち取り除く作業が辛いのなんの。

 それに加えて、腹を裂いて内臓を出すと、部屋は汚れるし鮮度は落ちるしで大変なことだらけ。

 だからこそ、喉に掃除機突っ込んで内臓一気に引きずり出せたらどんなにいいことかと、ふと思っちゃった。

 

 喉に詰まったお餅をスポッと吸い取れるぐらいの吸引力が搭載できるならきっと内臓を吸い取る技術力もあるはず。

 

 頼む! 

 バカっぽい発想で申し訳ないが「お餅吸い取り機」・「内臓吸い取り機」どっかの企業が作ってくれ!

 

 そんなことを祈る、イカれたお正月!

 結局残酷な話で、胃がもたれる!

第31弾 『ゆれる人魚』

 

はいはい! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『ゆれる人魚』!!

ポーランド発信、ホラー・ファンタジー・ミュージカル!

 

  

監督 アグニェシュカ・スモチンスカ

主演 キンガ・プレイス / マルタ・マズレク / ミハリナ・オルシャンスカ

原題 『The Lure

ジャンル ホラー・ファンタジー

上映時間 92

 

ポーランド映画……観たことないかも。

ホラー・ファンタジー……おもしろそう。

ミュージカル……!?

 

ということで、本作『ゆれる人魚』はどんな物語なのでしょうか。

トレーラーを観た時点では、人魚の尻尾がリアリティありすぎて気持ち悪かったです……。

『人魚姫』をモデルとして本作……とても不気味な雰囲気が含まれているらしいです。

 

ではでは、楽しんでいきましょう!

 

 

・ストーリー

ふたりの人魚。姉妹の人魚、シルバー(姉)とゴールデン(妹)。

ある夜、海辺で歌っていたバンド3人組が彼女たちの目に留まった。ふたりは、顔だけを水面から上げてその美しい歌声で近づいた。

彼女らは、こうして陸へと上がった。

ナイトクラブで働いている3人組バンドは、彼女らが人魚だと分かった上で、クラブで働いてもらおうと誘いを出す。

アメリカへ行く前のちょっとした遊び感覚だった彼女らは、快諾し、あっという間にクラブの目玉となる。魅惑的な踊りと美声で客を虜にし、お酒・たばこ・ファッションを存分に楽しんでいた。

そんな中、シルバーはバンドの一人に恋をしてしまう。人間と人魚、決して結ばれぬ恋であることが分かりつつも、互いに夢中になっていく。

ゴールデンはそんな姉を心配し、「彼を喰えるの? もし彼が他の女性と結婚したら、あなたは海の泡となるのよ」と忠告する。

その後も、どんどんと人気者になっていくふたり。ゴールデンの忠告空しく、シルバーの抱く愛も次第に膨らんでいった。

二度と歌えなくなってもいい。美しい声を失っても構わない……そう思ったシルバーは人魚としての尻尾と人間の下半身との移植を決意する。

声が出ない。うまく歩けない。けれど、これでようやく愛する彼と結ばれる。そう喜んでいた矢先、彼は違う女性に恋焦がれてしまうのだった。

最悪なことに、シルバーを拒絶した彼はその別の女性と結婚することに。

このままじゃ姉が海の泡となってしまう……と危惧したゴールデン。「彼を喰べて。明日の朝日が顔を出す前にそうしないと、あなたは海の泡となる。喰べて人魚に戻って」と最後の忠告をする。

シルバーは、迷う心と共に、彼を抱きしめた――。

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

ごった煮のよう……それが本作の印象です。

 

本作を観ている途中で思いました。

これ……「最高の映画紹介」に挙げることできるのか……? って。

 

本作『ゆれる人魚』は、正直言って意味がわからない場面が多々あります。

そして、物語のジャンルが一貫していません。ミュージカル調であり、雑なコメディのようなものでもあり、グロいシーンがあったと思えば、最後は虚空を見つめるような悲しさに襲われます。

 

だから多分、観た人の大半はこう思うはずです。

「なに? この映画。なんかよくわからない……」

 

その言葉が出ることをわかった上で申し上げます。

本作は、今までに見たことのない不思議な感覚を味わうことのできる映画と言えるでしょう。

 

アンデルセンの描いた『人魚姫』。それをより大胆に、よりダークに、より切なく描いたのが本作『ゆれる人魚』です!

つまりは、かなり大人向けの映画と言えます!

 

理解が難しく、バカ騒ぎするシーンに耐えられない方は酷評を、固定観念に囚われずに独特な表現を楽しむことのできる方は賞賛をお送りください。

 

観る人によって感じ方が違う。だが観る価値は確かにあります!

 

ユアセルフ 個人的な感想としては、最後のシーンにグッときてしまいました。

愛した人間に裏切られてもなお……(ここ、ネタバレになるので伏せます)。幸せを願いただ抱きしめるその姿に、胸を突かれた気持ちになりました。

人を喰らう人魚、ダークファンタジーの不気味さ、ダサすぎるミュージカル調の演出。そのすべてをひっくり返すほどの魅力が結末に用意されています。

 

どうか、皆が寝静まった夜にこっそりと、お楽しみください……。

初恋は、残酷な味がする。

 

以上、ユアセルフ でした……