第33弾 『ゲット・アウト』
はいはい! ユアセルフ です!
今回紹介する映画作品は『ゲット・アウト』!!
椅子に座って「アァァ!!」と叫んでいるようなジャケットに心奪われました!
監督 ジョーダン・ピール
主演 ダニエル・カルーヤ / アリソン・ウィリアムズ
原題 『Get out』
ジャンル ホラー
上映時間 104分
「ゲット・アウト」の意味を知らないという人はいないんじゃないでしょうか。英語が苦手な人でも、このくらいなら耳にしたことがあるはず……。いや、絶対あるでしょ。でも一応、意味を書いておきます。
「ゲット・アウト」意味は「出ていけ」!
最近あまりホラーを観ていないなぁ……と思い手にしたのが本作。以前からその存在は知っていたものの、なかなか観ることができなかった。他にもいろいろと見たい映画はあるし、新作はどんどん上映されていくし、すべての映画を観ようと思ったら何年かかるんでしょうか……?
1ジャンルの映画すべてを観るだけでも100年じゃ足りない気がする……。
すべての映画に出会うには、どれほど長生きすれば……いいの?
・ストーリー
黒人のクリス、白人のローズは交際4か月。ふたりはローズの実家に行くことになった。しかしクリスは些か不安な様子。黒人である自分が白人の家に歓迎されるのかどうか心配していたのだ。だがそんな心配をローズは優しく払拭してくれる。
「大丈夫よ。オバマに3期目があればパパは投票してる」。
その言葉に安心したクリスはローズと共に行くことを決める。
しかしその決断が正しいものであったのかを、クリスは再び懸念し始めた。
ローズの実家に着くなり、ローズ家に仕える使用人ふたりが目に留まる。どちらも黒人。白人に仕える黒人の姿に、形容しがたい違和感がクリスを襲う。使用人の言動にどこか不気味なものを感じ、同じ黒人同士であるのに伝わるはずの作法が伝わらない。どこか合致しない異変に、クリスは恐怖を覚えていく。
とは言え、ローズの両親はとても良い歓迎をしてくれた。
神経外科の父と精神科医の母、神経外科見習いであるローズの弟も温かく迎い入れてくれ、クリスは楽しい一晩を過ごした。
次の日、毎年開いているというローズ家の親睦会に参加。そこで出会った黒人男性をきっかけに、クリスは自分の置かれている状況に気づいてしまう。
ローズ家はごく普通な家庭なのか……。それとも隠された何かが、ローズ家にはあるのか……。
黒人であるクリスを招待した白人ローズ家の本当の……目的とは……。
はい、いかがでしたでしょうか。
ストーリーはこのような感じになっています。
ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。
皆さん、恋人の実家に行くのはしばらく控えてください。……と警告をしたいぐらい、他人に対する不信感が増幅する映画でした!
本作のテーマは実に現代的な倫理観を描いていると思います!
ネタバレをしてしまうと全然面白くないと思うのであまり多くは語れませんが、観終わった後に必ず考えてしまうことでしょう。
「こんなこと……本当にできるの?」
「いや、おそらく現代の医学なら可能だろう」
「でもそれは……許されるの?」
……などと、自分の中で考え、知識経験をもとに倫理観を問われる問題となるでしょう。
そして、もう一つ、本作には重要なことが描かれています!
かなり重要でありながら、この問題を盛り込んだ製作者はかなり勇気のいることをしました。
言ってしまえば、本作は「黒人」がテーマです。あまり「黒人」という言葉は使いたくありませんが、今回は便宜上使わせてください。
ストーリーの大本は、「白人女性と黒人男性のカップルが白人女性の実家に挨拶しに行く」というもの。そこで懸念されることは、「自分の様な黒人が認められるのか」ということ。
アメリカを含め、歴史は黒人を卑下し奴隷扱いしてきた過ちを犯しました。さらには、その多大なる後遺症が今でも残っています。
それはなかなか払拭できず……
「黒人はダメだ」「下等だ」「汚らわしい」「悪党」……などの悲しきイメージを無意識に持っている人も多いのではないでしょうか。
黒人に対する偏見。物語はそこから始まるのです。
そしてそのままこの物語に幕が下ろされたのならば、きっと本作は批判を受けて終わったいたことでしょう。誰もが不快な映画であると痛烈な言葉を送ったはずです。
しかし、本作『ゲット・アウト』はそうならなかった。
「なぜ黒人なんだ?」
本作での主人公のセリフです。
その答えが、まさに核心をついていたんです!
黒人に対するマイナスのイメージではなく、むしろ黒人は優秀であると表現したんです!
実際、黒人の遺伝子や肉体構造は運動能力においてかなり秀でています。その真実を否定するのではなく、本作ではしっかりと肯定しています。
そこが最も大切なことであり、視聴者が不快な気持ちを抱えずに観ることができたポイントではないでしょうか!
本作『ゲット・アウト』、人間の怖さが繊細な演技で表現されています!
「ゲット・アウト」その意味を深く考え、俳優の演技に目を凝らせば、結末を予測できるかもしれません!
ですがやっぱり、人間って……怖ぇぇ……。
そんな感想でした。
白人の家族に黒人の使用人。 何かがおかしい……。
以上、ユアセルフ でした……
第32弾 『アンブレイカブル』
はいはい! ユアセルフ です!
今回紹介する映画作品は『アンブレイカブル』!!
直訳――「破壊不可能」!!
監督 M・ナイト・シャマラン
主演 ブルース・ウィリス / サミュエル・L・ジャクソン / ロビン・ライト・ペン
原題 『Unbreakable』
ジャンル SFサスペンス
上映時間 107分
このブログにて映画レビュー第1回を飾ったのが『スプリット』。その時に過去の作品が関わっていると言った記憶が微かに残っております。
そうです!
本作『アンブレイカブル』こそが、『スプリット』と同じ世界観を持つM・ナイト・シャマラン監督の作品(2000年)です。
では、ご覧ください!
・ストーリー
アメリカ、フィラデルフィアにて列車事故が起きた。乗客131人が亡くなるという悲惨な事故。メディアが注目する大事故であったことはもちろんのこと、それ以上にメディアがざわついたのは、ある一人の男性を除いたすべての乗客が亡くなったという事実だった。
アメフト会場の警備をしているデヴィッド、彼がその列車事故の唯一の生存者であった。しかもただ助かったのではなく、奇跡的……いや、不自然ともいえるほど、無傷であった。
そのニュースを知った男、イライジャはすぐにデヴィッドへと接触を試みる。しばらくして対面した2人は、一つの推測について話をした。
「私は生まれながらに骨形成不全症を患っている。私がある曲線の端にいるのならば、もう反対の端にいるのは私とは正反対の人物だ。傷一つ負わない、病気にもならない、そんなヒーローのような存在を私は探し求めていた。それはきっと、君なんだ」イライジャの突飛な話を撥ね退けるように聞いていたデヴィッドだったが、次第に彼は自覚し始める。超人的な筋力、過去に自動車事故に遭ったが実は無傷だったことを思い出し、彼は自分の中に眠っていた真実と向き合うことになる。
デヴィッドは本当に、アンブレイカブルなヒーローなのか!?
真実を知る覚悟はあるか
はい、いかがでしたでしょうか。
ストーリーはこのような感じになっています。
ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。
ブルース・ウィリス×サミュエル・L・ジャクソン
うん、間違いないです! つまらないわけがない! でしょ!?
今思えば、ふたりの共演は『ダイハード3』でありましたね。ん、『パルプ・フィクション』もか……?
とにかく、ふたりが共演したならばおもしろいに決まってる。むしろハードルが上がった状態で観たわけですが、やはりおもしろい。
ストーリーの構成でいえば、かなり重苦しい雰囲気です。シリアスな空気というべきなのか、それがかなり現実味のある映画を作り出したと言えるでしょうか。
「新たなヒーロー図」! 本作を一言でいえばそんな感じです。
マーベルコミックやDCコミックの様なあからさまに分かる大胆なヒーローではなく、人間の内側に隠されている「力」に徐々に気づかされていく一人の男を丁寧に描いた。実に現実味のあるヒーローでした。
そしてそのヒーローの存在は、サミュエル・L・ジャクソン演じる「イライジャ」が教えてくれるのですが、イライジャもまた、不思議な存在なんです。
一見、妄想を信じて生きる頭のおかしな人物であると捉えてしまいがちですが、彼の話は的を射ています。説得力があるんです。
だからこそ、ブルース・ウィリス演じる「デヴィッド」も最後には、彼に感謝を示しました(まぁ、最後にオチがあるが……)。
それともう一つ、M・ナイト・シャマラン監督の作品はカメラアングルにもこだわりが伝わってきます。
今回でいえば、鏡越しの視点を撮影したり、電車の座席の隙間からの撮影をしたり、実に興味深い撮り方でした。
ちなみにですが、なぜ今この時期に『アンブレイカブル』を観たのか……ですが、それはですね、2019年に公開予定の『グラス』が迫っているからです。
M・ナイト・シャマラン監督の作品である今作『アンブレイカブル』、そして2016年に公開した『スプリット』、さらにそれに続く『グラス』。この3作品は同じ世界観で描かれているんです!
だからこそ、今、この時期に本作を観てみたんです。
つまりは、『グラス』がめちゃくちゃ楽しみです!
本作は単体で楽しむこともできますが、この3作が存在していると分かった上で観ると、また感じ方が変わるかもしれませんね。
以上、ユアセルフ でした……
第31弾 『ゆれる人魚』
はいはい! ユアセルフ です!
今回紹介する映画作品は『ゆれる人魚』!!
主演 キンガ・プレイス / マルタ・マズレク / ミハリナ・オルシャンスカ
原題 『The Lure』
ジャンル ホラー・ファンタジー
上映時間 92分
ポーランド映画……観たことないかも。
ホラー・ファンタジー……おもしろそう。
ミュージカル……!?
ということで、本作『ゆれる人魚』はどんな物語なのでしょうか。
トレーラーを観た時点では、人魚の尻尾がリアリティありすぎて気持ち悪かったです……。
『人魚姫』をモデルとして本作……とても不気味な雰囲気が含まれているらしいです。
ではでは、楽しんでいきましょう!
・ストーリー
ふたりの人魚。姉妹の人魚、シルバー(姉)とゴールデン(妹)。
ある夜、海辺で歌っていたバンド3人組が彼女たちの目に留まった。ふたりは、顔だけを水面から上げてその美しい歌声で近づいた。
彼女らは、こうして陸へと上がった。
ナイトクラブで働いている3人組バンドは、彼女らが人魚だと分かった上で、クラブで働いてもらおうと誘いを出す。
アメリカへ行く前のちょっとした遊び感覚だった彼女らは、快諾し、あっという間にクラブの目玉となる。魅惑的な踊りと美声で客を虜にし、お酒・たばこ・ファッションを存分に楽しんでいた。
そんな中、シルバーはバンドの一人に恋をしてしまう。人間と人魚、決して結ばれぬ恋であることが分かりつつも、互いに夢中になっていく。
ゴールデンはそんな姉を心配し、「彼を喰えるの? もし彼が他の女性と結婚したら、あなたは海の泡となるのよ」と忠告する。
その後も、どんどんと人気者になっていくふたり。ゴールデンの忠告空しく、シルバーの抱く愛も次第に膨らんでいった。
二度と歌えなくなってもいい。美しい声を失っても構わない……そう思ったシルバーは人魚としての尻尾と人間の下半身との移植を決意する。
声が出ない。うまく歩けない。けれど、これでようやく愛する彼と結ばれる。そう喜んでいた矢先、彼は違う女性に恋焦がれてしまうのだった。
最悪なことに、シルバーを拒絶した彼はその別の女性と結婚することに。
このままじゃ姉が海の泡となってしまう……と危惧したゴールデン。「彼を喰べて。明日の朝日が顔を出す前にそうしないと、あなたは海の泡となる。喰べて人魚に戻って」と最後の忠告をする。
シルバーは、迷う心と共に、彼を抱きしめた――。
はい、いかがでしたでしょうか。
ストーリーはこのような感じになっています。
ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。
ごった煮のよう……それが本作の印象です。
本作を観ている途中で思いました。
これ……「最高の映画紹介」に挙げることできるのか……? って。
本作『ゆれる人魚』は、正直言って意味がわからない場面が多々あります。
そして、物語のジャンルが一貫していません。ミュージカル調であり、雑なコメディのようなものでもあり、グロいシーンがあったと思えば、最後は虚空を見つめるような悲しさに襲われます。
だから多分、観た人の大半はこう思うはずです。
「なに? この映画。なんかよくわからない……」
その言葉が出ることをわかった上で申し上げます。
本作は、今までに見たことのない不思議な感覚を味わうことのできる映画と言えるでしょう。
アンデルセンの描いた『人魚姫』。それをより大胆に、よりダークに、より切なく描いたのが本作『ゆれる人魚』です!
つまりは、かなり大人向けの映画と言えます!
理解が難しく、バカ騒ぎするシーンに耐えられない方は酷評を、固定観念に囚われずに独特な表現を楽しむことのできる方は賞賛をお送りください。
観る人によって感じ方が違う。だが観る価値は確かにあります!
ユアセルフ 個人的な感想としては、最後のシーンにグッときてしまいました。
愛した人間に裏切られてもなお……(ここ、ネタバレになるので伏せます)。幸せを願いただ抱きしめるその姿に、胸を突かれた気持ちになりました。
人を喰らう人魚、ダークファンタジーの不気味さ、ダサすぎるミュージカル調の演出。そのすべてをひっくり返すほどの魅力が結末に用意されています。
どうか、皆が寝静まった夜にこっそりと、お楽しみください……。
初恋は、残酷な味がする。
以上、ユアセルフ でした……