サイコパスの素顔

小説を書いています。映画レビューもしております。

第22弾 『スイス・アーミー・マン』

 

はいはい! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『スイス・アーミー・マン』!!

ちょっとおかしな物語です!

 

 

監督 ダニエルズ(ダニエル・クワン / ダニエル・シャイナート

主演 ダニエル・ラドクリフ / ポール・ダノ / メアリー・エリザベス・ウィンステッド

原題 『Swiss Army Man

ジャンル 青春・サバイバル・アドベンチャー

上映時間 97

 

本作『スイス・アーミー・マン』を観ようと思ったきっかけは、完全にそのパッケージです!

水上スキーの要領で人が人の上に乗って海を走っているその姿が、なんだかおもしろそうな映画だなぁ~、と思い、手に取りました!

 

もちろんその下の人物が、あのハリー・ポッターで有名な「ダニエル・ラドクリフ」だとは思いもしませんでした。

 

どんな映画なの? まずジャンルは? などなど、あまり調べずに鑑賞しました。

 

ではでは、そろそろいきますか!

 

 

・ストーリー

無人島でひたすらに助けを待っていた男、ハンク。

彼は、諦めて死を選ぶことにした。ロープで輪を作り、自らの首をそこに差し込んだ。

だがしかし、いざ死のうと決意した矢先、浜辺に人が転がっていることに気が付いた。

慌てて駆け寄り、その生死を確認する。けれどそれは、残念なことに水死体だった。

反射的に蘇生処置をとるも意味はなく、男からは腐敗ガスがおならとして出ていた。

ここでハンクは、再び生きることに絶望し、死のうとする。だがその考えは、水死体のおならによって変えられた。

おならで水の上をぷかぷかと浮く水死体の姿に閃き、ハンクは島を出る方法を思いついた。

おならで進む水死体の上に馬乗りになり、水上スキーのように走り出したのだ。

彼は難なく無人島を脱出した。そしてどこか大きな大陸にたどり着いた。

だが、故郷へと帰るには、まだまだ長い道のりだった。携帯は圏外のままで、食べ物や水もない。

疲労と絶望でやつれた彼は、水死体のメニーに話しかけていた。バカげたことと分かりつつ、ハンクはそれでもメニーに話を振った。

すると急に、メニーが言葉を発した。死んでいるはずのメニーが喋ったのだ。

一度は驚くハンクだったが、生きることに疲れていた彼にはメニーの存在は大きかった。記憶のないメニーに様々なことを教えつつ、ふたり揃って故郷へと帰ることを決意する。

生きて故郷へと帰る――その原動力は、愛する者の為に……。愛する者の元へと、彼らは生きて帰ろうと強く思う。

銃、火打石、斧、とまるでスイス・アーミー・ナイフ(十徳ナイフ)のように様々な便利機能をもつメニー。そんな彼とハンクのふたりは、無事に帰ることができるのか!?

愛する者の元へとたどり着くことができるのか!?

今までにない冒険が、今……始まる!!

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

はい。まず初めに言っておきます。

本作『スイス・アーミー・マン』は、賛否が大きく分かれると思います。

 

「なにこれ?」

「意味わからん……」

「設定がついていけない」等々。様々な不満の声が漏れるかもしれません。

 

しかし ユアセルフ 本作を「最高の映画」として紹介したいです!

 

そのくらい、個人的感想としては、なかなか面白かったです!

 

面白いといっても、ギャハハ、オホホ、の面白さではなく、本作からはとても深いものを感じました。

もちろん、うふふ、ぐらいの面白さはところどころに散りばめられています。そしてそれを超える考え深いポイントが多く存在するんです!

 

すべてを語ろうとすれば、めっちゃくちゃ長くなってしまいます。ですので、その気持ちを押し込め、ネタバレを避けるためにも、端的に話します。

 

本作の魅力、その①――音楽との絶妙な絡みが最高!

とにかく、この作品が深く心に沁みてくる原因は、躍動感溢れるミュージックにあると思います。どんな音楽か気になる人は、映画を観ずとも、公式ホームページに足を運んでみてください(URLは……貼らへんで)。

 

本作の魅力、その②――ふたりの不思議な友情!

なんか良い! 

死んでいる「ダニエル・ラドクリフ」と生きている「ポール・ダノ」ふたりが出会い、言葉を交わし、なんとも不思議な友情が生まれるんです。それはまるで、異性間の『愛』を超えた神秘的なものであり、深く、厚く、涙するほどに胸が苦しくなります!

 

本作の魅力、その③――奇想天外な発想!

まぁ、ここでしょうね! 

無人島で一人、助けを求めている男、ハンク(ポール・ダノ)が死を覚悟したときに視界に飛び込んできた水死体、メニー(ダニエル・ラドクリフ)。彼らの出会いが無人島を脱出する鍵となり、故郷への帰路が物語のメインとなります。

生死を隔てた繋がりが現実ではありえない。しかしそこに芽生えた感情、思いは「非現実的」なんて脆い言葉を簡単に取っ払ってしまうほどに、深いものがあります!

 

女性との付き合いが苦手なハンク、便利機能付きのメニー。

ふたりの冒険が、青春が、あなたの心にもきっと、何かを植え付ける。

もしかしたら、あなたの心からが一粒、零れ落ちるかもしれません。

 

もし気に入らなくても、構いません。設定についていけず、席を立ってしまっても構いません。

ですが、できることならばどうか、最後まで観てください!

最後まで、おかしな男ふたりの友情にお付き合いくださいませ!

君となら、きっと生きて帰れる――。

以上、ユアセルフ でした……

第21弾 『モーテル』

 

はいはい! ユアセルフ です!

 

今回紹介する映画作品は『モーテル』!!

単純明快な快楽殺人!

宿泊料、イノチ……

 

 

監督 ニムロッド・アーントル

主演 ルーク・ウィルソン / ケイト・ベッキンセイル

原題 『Vacancy

ジャンル サスペンス・スリラー

上映時間 85

 

なんかないかなぁ~、なんかなぁ~、ホラーがいいなぁ~……。

と思っていろいろ探していた時に目についたのが、本作『モーテル』です!

 

制作2007年。

ちょっと古いかな~、と思いつつも、主演「ケイト・ベッキンセイル」の名を見て、すぐさまテレビにロックオン!!

 

んじゃ、前置きはなしにしていきますかぁ~!

 

 

・ストーリー

愛が冷め切った夫婦(夫:デビッド 妻:エイミー)が夜遅く、車で自宅へと向かっていた。

眠気と格闘しながらハンドルを握るデビッドは、道の真ん中にいたアライグマをギリギリで避ける。だがしかし、そのせいでエンジンが故障してしまった。

変なエンジン音が聞こえてくる不安に駆られるも、たまたま立ち寄った田舎町の古びたガソリンスタンドで親切な整備士に見てもらえることに。

でも結局車は故障してしまい、街灯もない暗闇の中で立ち往生。

どうしようもなく、徒歩で道を引き返したふたりは、再び整備士に見てもらおうと思った。でもさすがに夜遅すぎて、整備士は帰ってしまっていた。

ふたりは仕方ないと諦め、近くのモーテルで一泊することに。

だがエイミーは、泊まることを頑なに嫌がる。モーテルの支配人の奇妙さと、古びたモーテルの汚さを見れば、その気持ちも理解できる。

そして案内されたスイートルームは、案の定汚かった。ゴキブリはいるわ、水道水は茶色いわ、ふたりは疲れと不満で苛立っていた。

部屋に入ってしばらくすると、突然電話が鳴り響いた。しかし相手は無言のまま。いたずら電話に困惑していると、今度は玄関口にノックの音が響き渡る。

しかし外には誰もいない。

そしてまた電話が鳴り、けたたましいノックが響く。さらには隣の部屋から壁を突き破るかの如く、叩く音が轟音で響いてくる。

非常識な野郎をどうにかしてやろうと思ったデビッドは「やめろ」と訴える。だがより一層強く壁を叩いてくるお隣。さすがに怒りを覚えたデビッドはフロントに文句をつけに行く。

しかし、支配人曰く「今日のお客さんはあなたたちだけ」とのこと。「だったら隣の迷惑野郎は何なんだ?」と疑問を投げつけるデビッドに対して、「たまに忍び込む連中がいるんですよね」と曖昧に答える支配人。「どうにかしろ!」と頼む夫は、後のことを支配人に任せ、自室に戻ることに。

そしておもむろにテレビをつける。しかしテレビはどのチャンネルも砂嵐だった。

テレビの上に何本かのビデオが置かれていることに気づいたデビッドは、退屈しのぎにデッキに入れてみる。

驚くことに、そこに映った映像はおぞましくグロテスクなものだった。エイミーはその映像を嫌がり「止めてくれ!」と懇願するが、デビッドは興味本位で観続ける。

そして気づいてしまったのだ。

そこに映る悪趣味な映像が、今自分たちが止まっている部屋で行われているということに……。

 

 

はい、いかがでしたでしょうか。

ストーリーはこのような感じになっています。

ここからは ユアセルフ 個人の感想を述べていきます。

 

 

……うん。いいねぇ~!

 

設定はわかりやすい。というかド定番の設定。

あまり人が立ち寄らなそうな田舎町でイカれた快楽殺人鬼が人殺しに精を出すお話です。

 

モーテルに足を踏み入れた直後にわかるヤバい感……支配人が醸し出す嫌な雰囲気にいち早く感ずくエイミー(ケイト・ベッキンセイル)の言葉を素直に聞いておけば……。

 

ユアセルフ もし自分だったらどうするか? と問いかけてみました。

すると、答えはあっさりと出ました。

 

絶対ぇにあんな汚いモーテルなんかに泊まるもんか! 

暗くても狭くてもいい! 

車の中で朝を待つ!

 

でもまぁ、それじゃ物語が展開しないんですけどね……。もしそうだったら上映時間15分ぐらいで話が終わってしまいそう……あはは(ここ、笑うとこ)。

 

それで結局、デビッドとエイミーのふたりがどうなるのかは、自分の目で確かめてください。ありきたりな設定のため、これ以上深く感想を書いてしまうとネタバレになってしまいそうで怖いです……(ある意味ホラー)。

 

ですからどうか、気になった方は今すぐにでもご覧になってください!(別に今すぐじゃなくてもいいよ。仕事中だったらなおさらだね。なんだったら、モーテルに泊まった時にでも観て)。

 

ということで、ケイト・ベッキンセイルの若さにびっくりした本作『モーテル』、どうぞお楽しみください!

 

以上、ユアセルフ でした……

LIX. 殺欲

 

 あぁ……殺したい。

 久しぶりに人を殺したい。

 

 サイコパスは、殺欲を覚えた。

 

 たまにこういう気分に陥る。

 何だろう……刺激が何もない時にそう感じるのかな。

 何もすることがない時、ごく稀にそういった欲望に心が支配される。

 

 一度そうなったら、もはや理性だけでは抑えきれない。

 

 サイコパスは、頭を抱えた。

 

 あああああ! マジで誰でもいいから、俺の殺欲を満たしてくれないかな!

 もう耐えらんないっ! 日々同じようなことの繰り返しで面白味がないんだよ!

 このままじゃ退屈すぎて死んでしまいそうだ……!

 

 誰でもいいから、俺に殺されたい奴、手ぇあげろぉおお!!

 

 サイコパスは、狂いだした。

 

 発狂しながら頭をぼりぼりと搔き毟る。

 皮膚は爪の中に食い込み、血が頭皮に滲んでくる。

 

 サイコパスは、刺激を求める。

 

 安心安全な国で暮らし、生ぬるい風に当たっているだけじゃ刺激が足りない。

 そんな人生じゃ、生きている実感が湧かない。

 

 定期的に人を殺して、ハラハラドキドキ感の味を心に沁み込ませなければならない。

 そうしないと、自分で自分を殺してしまいそうだ……

 

 よし、決めた! 次視界に入った奴、誰でもいいから問答無用に殺そう……!

 

 サイコパスは、刺激がなければ生きられない。